『Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜』

『Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜』

作:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり

2度目の新感線。お知らせには「SHINKANSEN RX」の文字。調べたところ新感線の公演のロックバンドをバックにしたシリーズらしい。
公式ホームページを見ても、主演の生田斗真くんの役が平安時代から生きるヴァンパイアで、現代ではヴィジュアル系バンドマンであるという設定からは何もイメージ出来なかった。

そうして迎えた当日。
待ち合わせていた友達と合流するためにロビーに出たら、前からメガネをかけた吉田鋼太郎さんが歩いてくるじゃないですか!っていうか完全にレンタルおじさんの麻生さんじゃん!ナチュラルすぎて気づかなかったわ!となり、とりあえず友達に報告。
そして、開演前に行ったお手洗いから席に戻るとき、今度は岡田将生くんが!2度見どころか3、4度は見た。今度はまーちんかよ!と今ならツッコむ余裕があるけど、当時の私は、声は震えてもはや出ておらず、突然の『ゆとりですがなにか』ラッシュに手の震えがおさまらぬまま、開演を迎えるのでした。
あとあとツイッターを見たけど、その日は関係者ラッシュだったらしく、1階席ではみんなちらちらと後方の彼らを見ていました。

▼あらすじ
時は平安。藤原藤志櫻(生田斗真)は名家の生まれで、容姿端麗かつ武術にも芸事にも秀でており、欲しいものなら何でも手に入れてきた。しかし、そのトゥーマッチさゆえか、必死の求婚もむなしく、愛しのかぐや姫(小池栄子)は家来の蛍太郎(神山智洋)を選んでしまう。
身分の卑しい蛍太郎に姫を奪われ、納得のいかない藤志櫻は、他の貴族と結託して蛍太郎を殺してしまおうと企てるが、その矢先、竹林から現れた怪しい男に噛まれ、ヴァンパイアとなってしまう。
そして1,000年後、時は平成。不老不死の体でかぐや姫の生まれ変わりを探し続ける藤志櫻は、ヴィジュアル系ロックバンドのボーカル・TOSHIROとなっていた。
元沖縄系ヴィジュアルバンドマンで事務所の社長・照屋(橋本じゅん)や、藤志櫻を見守る占い師・マダムババ(篠井英介)、ヤクザや竹井京次郎(中村倫也)率いる半グレ組織も入り乱れて、事態はどんどん大きくなっていく。
藤志櫻は無事、かぐや姫の生まれ変わりと出会い、結ばれることが出来るのか?

▼演出について
まだ主役が出てくる前から、ガンガン歌が歌われるんだけど、「♪1,000年前から愛してる」というサビが印象的なメインテーマと、ヴァンパイアを抹殺する方法を研究するチーム保保肩のシーンで「♪あります あります 絶対あります」というメロディーが頭から離れない。責任とってサントラ作ってほしい。
それと、藤志櫻の合コンシーンやチーム保保肩のシーンではダンスもあった。
特に合コンの方は、斗真くんと神山くん(あとはダンサーの方だと思われる)によるバッキバキのダンスが見られる。斗真くんてジャニーズなんだよなとハッとさせられた。
どれが誰だか分かってなかったので、もう一回見れるなら、かぐや姫を惚れさせた蛍太郎のダンスに注目して見たい。
あと保保肩の時の中村倫也くんが死ぬほどかわいくて心の中でペンライト振った。
そして私が地味に感動してしまったのが、人気バンドマンである藤志櫻が、数々のワイドショーの取材を受けるところ。
「スッキリ!」ポーズならぬ「スッカリ!」ポーズや、「めざましジャンケン」ならぬ「めつぶしジャンケン」などが後ろのモニターにまるで中継されてるかのように映る。お金が掛けられるからこその演出だなあと思った。


▼登場人物について
人数が多いので、フライヤーに写真が載ってる人に絞ります。

▷藤原藤志櫻/TOSHIRO:生田斗真
散々手を挙げてアピールしておきながら、いざ当てられるとニヤニヤしながら「え?まろっスかあ?」と言うところに藤志櫻のウザさがよく表れている気がする。
ウザいし、腹立つけど、なんか許してしまうかわいさがある。彼のおっかけである看護師のサカエちゃんも、そうやって協力しちゃったんだろうなあと思う。
最初は歌とダンス以外はカッコ良くなかったんだけど(笑)物語のクライマックスに向けて、優しいところや先頭に立って頑張るところがカッコ良くて、最終的には好きになってた。
歌上手いし、踊れるし、顔芸もサイコーで、斗真くんの魅力が詰まってた。

かぐや姫/アリサ:小池栄子
彼女も彼女で、したたかだし、結構イタいかんじの女の子だったりする。アリサ=かぐや姫ではないんだけど、そこは2人に共通してる。周りを振り回し、高笑いをする彼女たちは爽快ですらあった。
でも、かぐや姫は蛍太郎、アリサは百ちゃんのこととなると途端に乙女になっちゃうのがカワイイ。結構引くぐらいメロメロだった。
最近活躍している女優としての顔と、昔の、バラエティタレントだったときの顔が見れてうれしかった。

▷蛍太郎:神山智洋
同じグループのメンバーがいない状況で舞台に立つのは初めてだったと思うんだけど、なかなかヘビーなことをさせられてて笑ってしまった。
家来という立場上控えめに見えるけど、実は藤志櫻ばりの自信家。私的にツボだったのは「隠しきれない爽やかさ!」です。天然なのか嫌味なのかわからないからタチが悪い。
久々に登場したかと思えばふんどし一枚だし、その溢れ出る色気で女性陣を魅了してしまい、眠っている間に身体中をベタベタ触られる。そして目を覚ました本人も、胸を揉んでかぐや姫かどうか確認するようなエロキャラになっていた!
かぐや姫に1番振り回されたのは彼かもしれない。
斗真くんのバックでバキバキのダンスを披露し、フェスの場面ではギターを弾いて登場したりと、何かとおいしい立ち位置だったなあと思う。

▷竹井京次郎/ヒメ:中村倫也
チンピラのリーダーやホストモードのときは
「はあ、、、イケメンすぎ、、、」
ヒメちゃんモードのときは
「はあ??????かわいい、、、」
と私の心を掴んで離さない竹井京次郎さま、、、。
彼がこの物語の鍵を握る役だからかもしれないけど、どのシーンにおいてもつい目を奪われてしまう存在でした。
アイドルではなく俳優さんでありながら、歌がめちゃくちゃ上手くて、童顔に似合わず歌声も話し声も低くて豊かな声でドキドキした。女はイイ声に弱いというのは本当ですね、、、。
一方で、ホストクラブの客であるサカエちゃんに巻き込まれてチーム保保肩の一員・ヒメとしても活動する京次郎。ピンクのフリフリ衣装が似合いすぎてて、名前を呼ばれるまで男であることに気づかなかった。
中村くんは『お義父さんと呼ばせて』で認知して、「へー、出るんだあ」くらいにしか思っていなかったんですが、本当にステキな俳優さんで一発で心を奪われてしまいました。来年の主演舞台も観ることを固く誓った。

▷照屋:橋本じゅん
出てきたら笑ってしまう俳優No.1は皆川猿時さんなんですが、この作品において安定感ある笑いを提供していたのは橋本じゅんさんではないかと思います。
芸能事務所(主力事業は泡盛)の社長にして、沖縄音楽とヴィジュアル系を融合したバンド、アグーのボーカリストだった経験を持つ照屋は、クセだらけのキャラの中でもバツグンに濃かった。

黒霧島粟根まこと
前回観た『乱鶯』ではとぼけた感じの幽霊の役で、それがすごくハマってたから、ヤクザの若頭である黒霧島が粟根さんだと言うことに気づくのに時間がかかった。
冷酷で計算高い黒霧島は、この物語の中では珍しくツッコミ役でもあるんだけど、チーム保保肩の面々に乗せられて「♪あります あります」を歌って報知プレイをくらうというオチに使われたりもしてた。

▷サカエ:高田聖子
藤志櫻の熱烈なファンであるがゆえに、彼のために勤務する病院から輸血用の血を持ち出してしまったり、藤志櫻からほったらかされて寂しくなるとホストクラブに入り浸って京次郎に高いシャンパンを入れたりと、見ていて1番切なくなるキャラだった。「気をつけないとわたしもああなるかもしれない・・・!」という危機感を覚えた。
「かわいそうなサカエちゃんだね」という京次郎さまのイケメンボイスが存分に楽しめるセリフは彼女に向けられているのでちょっとうらやましくもある。
道を外すことはあったけど、藤志櫻への思いはまっすぐ持ち続けていたのが印象的だった。

▷マダム・ババ/篠井英介
現代演劇の女形として活躍されてきた方なので、女装が似合うのは当たり前とも言えるけど、マダムの衣装はかなり派手。それも、美輪明宏さん的な派手ではなく、きゃりーぱみゅぱみゅかっていう原宿kawaii的な派手さでして、でも篠井さんはそれを見事に着こなしていらっしゃいました。
衣装はふざけたように見えるものの、マダムは平成を生きる藤志櫻にとって1番の理解者であり、支えとなっている存在。藤志櫻のそばに居てくれると頼もしいなあと思いました。

▼まとめ
「新感線×クドカン!!!推しの神ちゃんも出るし、主演が斗真でヒロインが小池栄子なら行くっきゃないでしょ!!!!」と意気込みつつも、半ば諦めてて、でもダメ元で申し込んだチケットが当たってていけたこの公演。
結果、本当に観て良かったなあと思える作品でした。

前からテレビで観ていた斗真くん、小池さん、神山くんの役を見ていて感じたのは、役者さんが積み上げてきたものや、一般には知られていない特技があの作品の中に詰め込まれていて、観るとその人の魅力が伝わってくるようにキャラクターを作っていったんじゃないか、ということ。
藤志櫻は斗真くんに当て書きした役だそうなので、他のキャラクターもそうやって作られたのかもしれない。
私が竹井京次郎にこんなにも惹かれているのも、竹井京次郎という役に、中村倫也さんの魅力がこれでもかと詰め込まれているからだと思う。
『ゴーゴーボーイズ、ゴーゴーヘブン』もそうなんだけど、脚本や演出をする方の、役者さんに対する敬意や愛情が感じられる作品ってすごく好きだなあと感じました。

今回、友人と観に行けたことが嬉しかったので隙あらば小ネタの数々を使いたいと思います。
また、収録入ってたそうなので、1000年といわず、なんとか1年くらいでソフト化してほしい。サントラもつけてね!